ポスト金融危機における中国農村労働力の移動及び影響に対する分析 王暁紅
ポスト金融危機における中国農村労働力の移動及び影響に対する分析 王暁紅
江蘇省行政学院
論文要旨:江蘇省行政学院
世界的金融危機の影響の拡大により、輸出主導型の中国の労働集約的企業はかつてない打撃を受け、中国の「農民工」(農民の出稼ぎ労働者)の就職活動にも影響を与えた。
1. 国際金融危機の「農民工」出稼ぎへの影響
国際金融危機の農民工の出稼ぎへの影響は二つの方面へ現われている。一つは直接的な影響で、すなわち企業の倒産や操業停止は農民工の失業を招き、帰郷を早める。二つ目は間接的な影響で、つまり経済情勢の悪化で農民工の出稼ぎ就業と収入の見込み額に影響し、出稼ぎの内容をこれまでと変えるようになる。
2. ポスト金融危機時代における「農民工」の移動のトレンド
長岐にわたり、我が国の農民工は東部沿海地域の大都市、加工製造業産業の密集区域、とりわけ珠江デルタ地帯に多く集まっていた。しかし、ポスト危機時代の農民工の移動先には変化が現われ、一つ目としては、中西部地域はインフラなどの投資促進政策の影響で農民工の受入れを強化したことにより、中西部地域の農民工が増え、長江デルタ地帯や珠江デルタの農民工は逆に減少し、農民工は東部地域から中西部地域へと移り始めた。二つ目は、自分の省(出身省)から出ていく農民工の割合が下がり、自分の出身省内で出稼ぎをする農民工が増えたことである。中西部地域の農民工は近場に出稼ぎにいくパターンが多くなった。このような傾向は新たな"民工不足"をひき起こす主な原因でもある。
農民工の移動から見ると、中国の農民工には"家庭化"の傾向が現われている。農民工は以前の"男が一人"で出稼ぎに出ていくパターンから、現在では夫婦二人でいっしょに出稼ぎに行く、または子供もつれていくといったパターンへと徐々に変わってきており、農民工の"家庭化"の傾向がはっきりと現われている。就業の職種から見てみると、出稼ぎ農民工は依然として主に製造業、建築業とサービス業に従事しているが、製造業に従事する割合は下がってきている。
3.ポスト金融危機時代における「農民工」の出稼ぎに対する影響
農民工の移動は都市と農村の経済社会の発展に大きく影響する。この影響はプラス面もあればマイナス面もあるが、やはり主なものはプラス面の影響だろう。農民工の移動は大量の資金、技術と情報を持ち帰り、農村の経済社会の発展に役立つ:農民工は工業生産の予備軍として都市に入り、工業化の発展のため資源と動力を提供する:農民工の流動は戸籍制度の改革を促進し、二元体制の基礎を揺るがした:農民工の移動は都市と農村間の生産要素と管理方式の移動を推し進め、都市と農村の統一的計画の順調な進行に有利である:農民工の移動は社会の現代化レベルを向上させ、都市と農村の一体化の発展に役立つ。
4.ポスト金融危機時代における「農民工」の移動に対する管理とサービス
一、移動人口の合理的移動を積極的に導き、移動のアンバランスを防ぐ。
今、我が国の移動人口は地域分布的には極めて不均衡であり、一部の大都市と加工製造業都市に過度に集中している。都市の地元の人口と外から入ってきた人口の逆転が深刻で、当地では大きな人口のプレッシャーに直面している。
二、積極的に戸籍改革の道を探り、徐々に二元体制の制約を打破する。
現行の都市と農村の二元戸籍制度は合理的で秩序ある人口移動には不利である。我が国は各地が実施している居住制度を積極的に総括し、"戸籍"と"郷土"の概念を弱めさせ、"居住"身分の共通認識を強く持たせて、移動人口の都市に対する帰属感を強化する。
三、各部門がかかわる全国ネットの移動人口情報サービスステーションを積極的につくり、一方では、移動人口の各情報を全面的に把握し、移動人口を動きを正確に掴み、移動人口の管理と合理的な移動を支持する:同時に、全国移動人口ステーションの建設は各種社会保障政策にもつながり、就職情報など各方面の社会サービスの提供にも役立つ。
四、農民工など移動人口の合法的権益を積極的に擁護する。
政府の各レベルでサービスと社会保障を強化し、移動人口に対する後顧の憂いを解決しなければならない。









